高校時代の想い出に欠かせない人 そう 私の憧れの男の子
高校２年の同級生 いつも 少し斜めに構えて クール
制服なのに 彼のワイシャツは なつかしいＶＡＮ系
つまり 厚手の ボタンダウンの・・
他の男の子はよくあるテトロンみたいな白シャツ
なので 目立つ！かっこいい！
今で言えば ラブレターのカッシー あの雰囲気
その彼が私の後ろの席になった
ある時 苦手な数学の方程式を教えてくれた
「これはな こうでな・・」
彼の声ははるかかなた（笑） 私の視線は彼の指先
細くて綺麗な指で 鉛筆をくるくるまわしながら
もう一方の手で サラサラの髪をかきあげ
「わかった？」と目があったときには
「うん わかった」 全然分かっていないのに（笑）
意識すればするほど気軽に話せない これ恋心の常識
階段ですれ違う それだけで楽しかった
すれ違った瞬簡に「もう帰るの？」と声をかけ
「うん さよなら」 その一言がききたくて
無意味な階段待ちをしたものだった
運動会の日 彼はえらい目にあったらしい
整列して先生の話を聞いているときに
うしろにいた いたずらっ子たちに
いきなり 体操パンツを 下ろされた
下着まで一緒で 彼のお尻がぺろっ！
私の親友たちは 運良く（?）それを目撃し
「いやぁ すっごい怒ってさぁ それがまた かわいいの！」
「そうよ それに また キュートなお尻でさぁ！！」
運動会のあと 彼は ますます無口になったような気がした
彼の話はいろいろあるが いつも遠くからみていただけ
３年になってクラスが変っても 私の視線の先にはいつも彼がいた
そんな彼と 私の知人が付き合ってると言う噂をきいた
彼女は可愛くてまぁ遊び人
一瞬にして 私の中のなにかが 壊れた
そう 彼は 女の子とつきあっちゃいけないの
女の子なんて目じゃない！
そうでないといけないの〜！！
高校を卒業した年の６月に 彼と再会した
再会といえるのかわからないけど
姉の家に遊びに行った帰り お土産のアジサイの花束をかかえて
駅の改札口を出たとたん
腕いっぱいのアジサイの花の向こうに彼がいた
薄紫のはなびらごしに フォーカス状態の彼が・・
「あ ○○クンだ！」 声をかけなきゃ
なんていえばいい？ 元気？
いや ひさしぶり！
ちがうちがう もっとお洒落な・・
いや どうしようどうしよう
頭の中でいろんな単語がぐるぐる回り 心臓はどきどき
一瞬だったように思う 頭を上げたとき 彼は・・
慌てて追いかけたが 後姿さえ 捜せなかった
あれはなんだったんだろう・・まぼろし？
梅雨の晴れ間の一瞬の光のように
アジサイの花の中に たしかに 彼はいた
以来 彼のことはわからない
独身だよ と一度きいたことだけ・・
台風の夜に 心配で びしょぬれになりながら見に行ったあの家
嫌がる犬をひきずって散歩と称して歩いたあの道
まだ あの家に住んでいるのだろうか
幼い日の恋は いつも 甘く 切なく そして どこかおかしい
同窓会で 彼に会ってみたいと思いながら
「あいつは こんなのに絶対来ないよ」ときくと
なんだか嬉しくもある
そう 思い出の中で彼はいつまでも
たそがれの君
夕暮れの校庭にたたずんでいる
なんでたそがれの君なんだろう・・あのころ 私たち（親友達）のあいだで あだ名をつけるのが流行った
それぞれの想い人を誰はばかることなく話し合うために（笑 ）クラス全員に あだ名つけて 呼んでたなぁ 私たち
阪神巨人戦 夜店 みかんとバナナ たま