私が物心ついた頃から 実家には猫がいた・
名前は「たま」
初代のたまは黒猫だったような・・
とても たくましい猫で 私の記憶では
近所から「たこ」を盗んで 大騒ぎになったことがある
野良猫の性格が抜けないというか 飼われるのが嫌いで
とにかく 気ままに 生きている猫だった
あまり いたずらが過ぎるので 近所の手前 捨てることになった
兄が 自転車に乗って 遠くの町へ捨てにいった
寂しくて 哀しくて 沈んでいると
たまが戻ってきた
そのあと かなり時間がたって
手を血だらけにした兄が帰ってきた・・
捨てようとしたら 引っかかれて
どこかに逃げていったと言うのだ
この時「猫は家につく」事を知った
その後 たまは大きな顔をして 我が家にいすわることになった
そして ある日 たまは いなくなった
多分 死に際をみられなくなかったのだろう・・
白いペルシャ猫のたまがきた
小学生だった私は ミルクのみ人形の洋服をきせて遊んだ
おもちゃの乳母車に つめこんで無理やり押したりもした・
鼻くそだと思って 一生懸命毎日のように ほじっては
荒れて 赤チンをぬって 「赤鼻のたま」になった
寝るときには いつもつかまえて 布団にいれた
逃げないように テーブルの足に くくりつけもした。
たまは・・・私を嫌って 父の布団にばかり寝るのだった
それがとても悔しくて
毎晩たまをつかまえては逃げられていた(笑)
それから 三毛猫のたまがきた
カレーパンを食べて 口から泡を吹いて
ある日 あっけなく死んでしまった。
一晩中 抱えて泣きつづけた私
そのあまりの悲しみ様に 実家では猫を飼うのをやめた・・・
思えば私にとって「たま」はカッコウの遊び相手
姉兄たちと年齢が離れていたせいか
いつも「たま」を追いかけていた
犬と猫とどっちが好き？
ときかれるたびに
「自分は自分 人になびかない高貴な猫が好き
犬って誰にでもしっぽフルから嫌！」
と応えていた私が犬を飼う事になるのは
中学２年の夏だった