みちのく桜の旅
１９９５．０４．２９
テレビドラマで｢花の影｣というのがあった
ひとりの女性の一生を桜になぞらえた平岩弓恵ドラマシリーズ
１０代から７０代までを7人の女優が演じ
日本各地からボストンまで 桜の名所が舞台になっていた
一回目の舞台が青森県の弘前
10代のヒロイン役は古手川佑子 相手役は広岡瞬
満開の桜の下を歩く二人をカメラが映し出すのだが
ひいてもひいても 画面いっぱいの桜
「かすみか〜雲か〜♪」
弘前のこの桜をいつかこの目で見たい
桜大好き人間の 私にとって 弘前城の桜は この時 憧れになった
ちなみに20代のヒロイン役は今は亡き夏目雅子さん
ポトマック河畔の桜と青空と彼女と・・きれいだったなぁ・・
弘前は関西人の私にとっては果てしなく遠い場所
しかも日光より北に行ったことのない私には たぶん永遠の未踏の地
あこがれで終わるはずの場所
それが・・・・
１９９５・０１・１７ 阪神淡路大震災
｢人生なにがあるかわからない やりたいことは今やる！｣
「今年の花見は弘前に行く！」
（この年 私はあちこち飛び回り 北海道にも行ってしまった）
弘前城の桜祭りは毎年ゴールデンウィークの人出ベスト３に入る
100万人が繰り出す みちのくの春を告げる一大イベント
新聞にツアー広告が出た
「みちのくの小京都角館と弘前･桜の旅 」 これだ！
桜は開花時期予想がむつかしい
一日にして満開になったりするので 賭けと同じ
料金とのかねあいで 4月29日出発にする
ゴールデンウィークで 30日出発以降はすごく高くなるのだ
中学時代の友人を誘って ツアー申し込みをする
桜が咲いているかどうかは 運しだい！！
4月29日
午前7時50分関西国際空港集合
日本エアシステム741便にて午前8時50分定刻出発
花巻空港着後 バスにて田沢湖にむかう
途中 盛岡南部鉄会館にたちより 南部鉄の工程など見学する
田沢湖を一周する形で角館へ
桜のシーズンなので観光バスが連なっている
武家屋敷を散策
枝垂れ桜が見事！！ 武家屋敷の黒壁とピンクの桜
時代劇のセットに迷い込んだよう
檜木内川に出る
ここは土手堤にずらりと桜が植わっていてほぼ満開
桜祭りが開かれていて 津軽三味線や演歌ショーが賑やかだ
遠景に雪を頂いたお山と満開の桜 お見事
再び バスに乗って 今夜の泊りの田沢湖駒ケ岳観光ホテルにむかう
夕食にはきりたんぽ鍋がでた
きりたんぽって ちくわ状の五分つき餅？
想像していたのとは全然違っていた
夕食後 希望者だけで 夜桜見物
もちろん 私と友人は参加
夜の桜は 昼とは全く違う姿を見せる
夜風が津軽三味線の音を運び はらはらと川に花びらが散る
武家屋敷の枝垂れ桜もライトアップされて
私は ほうけたように 見上げつづけ 首が痛くなった
ホテルに戻って露天風呂にはいり
いよいよ明日は 弘前
角館よりもっと北 桜は咲いているのだろうか？
「まぁ いいやんね 今日 満開見れたし・・」
そう 桜が咲いているかは 運しだい！！
4月30日
バスはひたすら北をめざす
みちのく富士の岩木山が見え隠れする
山頂は雪 りんごの木があちこちに見え出す
弘前城到着 意外と大きいのにびっくり
城内をひととおり散策してひとまずホテルに向かう
今夜は法華クラブ弘前
弘前城周辺はオフィス街 道路もひろくて都会の雰囲気
ホテル周辺は地元の商店街 懐かしい香りがする
荷物をおいて 再び外出･自由行動
同じツアー客のご夫婦とタクシーに同乗する
このご夫婦 ご主人が奥様の後からついてくるという感じ
タクシーの乗り降りも奥様が先だったなぁ（笑）理想的！！
｢お客さん いい時に来たよ ずっと寒かったけど急に暖かくなって昨日一気に満開さね｣
運転手さんの言葉どおり
お堀はピンクの絨毯 ただただ見とれる私達
風が吹くたび 花吹雪
お堀の水面が見えないくらい花びらが積もっていく
この光景が見たかったのよ しばし幽玄
城前の酒屋で 捜し求めていた マルメロワインをみつける
マルメロワイン 函館土産でもらったことがあるワイン
｢幻のワインなのよ｣と知人がくれたワイン
とても美味だった
その後北海道物産展があるたび 捜しても見つからないワイン
メーカーは違うけれど 思わず 注文してしまう
夕食も済ませ 弘前城内に・・
あのドラマで 古手川佑子と広岡瞬がボートに乗った池
どこもかしこも 桜 さくら 桜
夜になって 花見の宴席からはやはり津軽三味線
桜の木の下のベンチに寝転んで
雪洞の明かりに浮かびあがる桜が目の前に・・
お城と桜と津軽三味線
いつまでも このまま この桜をあびていたい
みちのくの花見の宴は 想像以上に 素晴らしかった
人も桜も・・・一期一会
桜の季節になると思い出す
津軽三味線と満開の桜
おほりを埋め尽くす 花びら
あの時の桜を越える桜には 出会っていない
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